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新型コロナウイルス感染症ー5(歯みがきの重要性)

なかなか収束がつかない『コロナウイルス感染症』ですが、そもそもインフルエンザやコロナウイルス感染症は、咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込んだり ウイルスが付着したものに触れた手指で目、鼻、口などに触れる事で感染します。鼻や喉などの気道の粘膜に付着し 細胞内に侵入したウイルスはタンパク質を溶かす酵素の働きで細胞外に放出され増殖して感染を拡大させます。

大切なことは、外出先で飛沫を吸わない為にもマスクを着用すること。またこまめに手を石鹸等で洗うこと。またウイルスの付着を洗い流す為こまめに水分補給をすること。

そしてもう一つ日頃から気をつけたいのは、お口や歯を清潔に保つことです。

歯みがきや口腔ケアをおろそかにしていると、むし歯や歯周病の原因となる菌が増殖してプラーク(歯垢)となることはよく知られています。
このプラークには、気管支炎や肺炎などの発症や重症化にかかわる肺炎球菌やインフルエンザ菌のほか、重篤な感染症の原因となる黄色ブドウ球菌、緑膿菌、セラチア菌などの細菌も含まれているとみられます。

これらの細菌はプロテアーゼと呼ばれる酵素を出し、ウイルスが気道の粘膜から細胞に侵入しやすくする特性をもっています。
つまり、お口のなかが不潔な状態を放置しておくとプロテアーゼの量が増え、ウイルス感染症の発症や重症化を招きやすくなるというわけです。

実際、歯科衛生士による口腔ケアを受けた人のインフルエンザの発症率が、本人や介護者だけから口腔ケアを受けた人の10分の1になったとの報告があります。

東京歯科大学名誉教授の奥田克爾氏らは、2003年9月から04年3月にかけて東京都府中市の特別養護老人ホームのデイケアに通う65歳以上の高齢者98人に対し、歯科衛生士による口腔ケアと集団口腔衛生指導を1週間に1回実施しました。
一方、別のデイケアに通う高齢者92人には、ご自分がいつもなさっているように口腔ケアをしてもらいました。歯科衛生士による口腔ケアを実施したグループでは、ご自分で口腔ケアをしたグループに比べ口腔内の細菌数が減り、プロテアーゼとノイラミニダーゼのはたらきが低下していることがわかりました。
さらに、インフルエンザを発症した人は、ご自分で口腔ケアをしていたグループでは9人であったのに対し、歯科衛生士による口腔ケアを実施したグループでは1人でした。

この研究結果は国内外の歯科領域の専門誌で発表され、NHKの情報番組「ためしてガッテン」(2006年2月放送)でも取り上げられるなど、大きな反響を呼びました。

ご紹介した研究結果は、口腔衛生のプロである歯科衛生士が口腔ケアと口腔衛生指導を行ったことにより得られたものではあります。
とはいえ、日ごろから適切な歯みがきや口腔ケアに努めていると、インフルエンザの発症率を10分の1に減らすことができる可能性が示された意義はとても大きいといえるでしょう。

ウイルス感染症予防には、手洗い、うがいが大切ですが、適切な歯みがきや口腔ケアが意外なほど役立つことを知っておいていただきたいと思います。
備えあって憂いなし、かかりつけの歯医者さんで適切な歯みがきや口腔ケアの指導を受け、日ごろからお口の中を清潔に保つこともインフルエンザやコロナウイルス対策の1つに加えていただければ幸いです。

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